2018.10.27更新

虫歯が神経まで進行し、痛みが強くなってしまった場合など、やむを得ず神経をとらなければならない場合もあります。

歯の内部には、神経の他に血管もあり血液が流れています。この血液により歯に水分が供給されています。

神経をとった歯は、一緒に血管もとってしまうため水分がなくなり、脆くなります。特に大臼歯には、約60kg程度の咬合力がかかるとされています。

一日三食で2,000~3,000回咀嚼をします。その都度60kgもの力を歯は受けているのです。

咬合力が加われば加わるほど、歯のダメージは蓄積し、割れるリスクも高くなります。

最も割れやすい歯は上の一番奥の歯、すなわち第二大臼歯です。

状況にもよりますが、割れてしまった歯は抜歯になる可能性が非常に高いです。

抜歯になってしまった場合、その部分には歯がなくなるわけですが基本的には抜いてそのままにはしません。

そのまま放置してしまうと、噛み合う歯の位置がずれてしまい、噛み合わせまでずれてきてしまいます。

これから紹介する症例は、左上第二大臼歯の破折の症例です。

この歯は縦に大きく割れ、抜くしかない状況でした。

口腔内の状況によりますが、通常は抜いてそのままになることが多いです。

ただ、今回は左下の親知らずを左上第二大臼歯部に移植する方法を選択しました。

移植前に左下の親知らずは根管治療を終えておきました。

移植直後のレントゲン写真です。

後

移植後4ヶ月が経過しましたが、歯肉に炎症もなく、患者さんは違和感なく自分の歯として使用できているそうです。

現在は歯肉に炎症はみられず経過良好です。レントゲン上も根尖周囲に骨が出来ているのが分かります。

後

こう至った経緯を顧みて、同じことが起こらないよう、寝るとき用のマウスピースを現在使用してもらっています。

歯牙移植は、全ての症例で適応になるというわけではありませんが、一つの選択肢として患者さんにとって良い治療法だと思います。

 

歯科医師 木村

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